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イジメとの闘い方

どんなものにだってやり方がある。
勉強のやり方。
サッカーの戦術。
トレーニング方法。
美味しい料理の作り方。
友達の作り方。
子どもの育て方。
英語の話し方。
飛行機の乗り方。
車を運転する方法。

誰か同じ経験をした人が、自分の経験を次の誰かのためにまとめて「方法」にしてくれた。
だから俺達は、色んなやり方を学ぶことができる。


イジメにも「闘い方」っていうのがあるんだ。


絶対にこれで解決する、とは言わないけど、俺が今まで経験してきた「イジメと闘う方法」をまとめてみる。
俺の体験が、次に経験する誰かの役に立つことを願って。

イジメには段階があることを知る


「イジメ」って本当はものすごく幅広い。
それなのに大人達は
「イジメなんて子ども同士で解決するもの」
「俺達が若い頃にもイジメくらいあった」
なんて、全く現実を知らない無責任な事ばかり言っている。
まずはちゃんとイジメのステージを知ろう。そしてそれぞれの対策を実行しよう!

①「いじり段階」
子ども同士のおふざけやちょっとしたトラブルが起こっている段階。まだ本人以外は「遊びでやっているのか」「嫌がっているのか」がわからない。


②「イジメ初期」
グループ内で「イジメる方」と「イジメられる方」がはっきり決まってくる。グループ内で悪口を言われたり、暴行を受けたりし始める。クラスの中でも「ちょっとイジメられてるかも」と気付く人が出てくる。


③「イジメ期」
クラス全体にイジメが広がり、内容も殴る蹴るの暴行から、お金や大事なものを取られるなど、「犯罪」になっていく。イジメの中心にいる人間がクラス全体に呼びかけて、「積極的にイジメる人間」と「それを見て楽しんでいる人間」「本当は嫌だけど怖くて止めることはできない人間」の三者に分かれる。


④「重大犯罪期」
身体に怪我をさせるまで暴行したり、何万何十万単位でお金を取られたり、毎日「死ね」と人間を否定され続け、どんどん生きる気力をなくしていく。この段階まで来た場合、イジメを行っているのは間違いなく「犯罪の加害者」であって、イジメられているのは「犯罪の被害者」なんだ。この段階は被害者の命が危険にさらされる。一刻も早く保護することが必要な、非常に危険な状態だ。



キミが今、どの段階にいるかで取る対策、相談する相手は変わってくる。
重大犯罪期にいるならば、一刻も早く命の安全を確保しないといけない。この段階ではもう学校も教育委員会も頼りにはできない。すぐに警察に相談するべきだ。
逆にいじり段階で警察や弁護士に相談しても「それは子ども同士のことだから」と言われてしまう。

ちゃんとイジメのステージを知ろう。
詳しいステージの解説と対策このページにまとめておいた。
是非読んでみてほしい。

イジメとの闘い方その1
ちゃんと自分が受けているイジメのステージを把握すること

記録をつける


実際にイジメに遭った人はどうするか知っているだろうか?
これも「イジメのステージによって取る方法は違ってくる」と言うのが現場の事実だ。
以下に俺が相談に乗った子たちがどんな方法を取って、どんな効果があったかをまとめていく。
読めば分かるけど、イジメに遭って「何もできない」って言うことはないんだ。
どんな状況でも、必ず方法はある。
それを忘れないでくれ。
絶対に諦めないでくれ。


①抵抗する
「いじり段階」「イジメ初期」で効果的なのが、この抵抗すると言う方法だ。
まだステージが浅いうちは、イジメる方にも「ふざけてやってる」感がある。
だから、嫌なことは「嫌だ!」「やめろ!」とはっきり言う事で、それ以上悪化するのを防ぐことがある。
俺が会った子たちの中でも、初期のうちにちゃんと「やめろ!ふざけんな!」と言って解決した率はかなり高い。

自分が気に入らないあだ名をつけられたり、
ツッコミにしては痛すぎる、何回も繰り返す事が合った時、
家族を馬鹿にされた時、

限度を超えた時は「ちゃんとキレる」ことがイジメの予防線になる。



②距離を置く
口で言うのが苦手な人は、なかなか言い出せなかったり、ずるずるやられっぱなしになってしまう。
いじりからイジメ、そしてどんどんエスカレート、、、
そんな時は距離を置くことも1つの方法になる。

距離の置き方は
・初期のうちはグループを離れる
・深刻な段階になった場合は学校を休む、変える
がよく取られる手段だ。

でも、グループを離れて独りぼっちになるのが嫌だからとイジメを受け入れてしまったり、親が真剣に取り合ってくれなくて転校できなかったりと、なかなか簡単に取れる手段ではない。

ただ、俺はその子に本当に命の危険がある場合は、迷わず「学校に行くな」とアドバイスしている。
その子が「死にたい」と思っている場合は「学校を変えなさい」とアドバイスしているんだ。
※高校生の場合は通信制高校や高卒認定試験など、代わりとなる手段もあるので、学校に行かないことが「人生の終わり」にはならないことを知っておこう。


③記録をつける
俺が経験した子ども達のケースでは、本人が現実的に取れる手段というのは「抵抗する」「距離を置く」の2つだけだった。

思いっきりケンカしたらいい。
負けてもいいから相手をなぐってやれ。
そんなアドバイスをされた子もいたけど、現実的にそんな事できる子は一人もいなかった。

だから、この2つができなくてどんどんイジメがエスカレートしていく子に俺がアドバイスしたのは、


絶対に記録をしっかり残しておくこと!


ということだ。


エスカレートしたイジメはもう自分では止められない。
相手は一人じゃない。
力でも勝てない。


そんなキミが唯一勝てる方法は

ちゃんと日本の法律というルールに裁いてもらうこと。

なんだ。



キミは日々「やめて!」と訴えた。
でもあいつらはやめなかった。
その記録を残そう。

○月○日、××で、△と☆に財布のお金を取られた。3千円だった。「財布貸せよ」といって無理矢理取られた。

○月○日、クラスLINEで「学校に来るな」と言われた。(スクショあり)

○月○日、××で、△たち8人に殴られて蹴られて鼻の骨を折った。「転んだと言え」と言われて親に嘘をついた。本当に悔しかった。

○月○日、担任の先生に今ウチがこんなことやられていると相談した。「今から会議だから今度」と言われたけど、ウチも命かかってたから会議終わるまで待ってたら、終わった後「中学生にはそういうこともよくあるから、お互いにケンカしながら成長するのよ」って言われた。マジ悲しかった。



キミには必ず味方がいる。(その味方の探し方も教える)
この記録は、いつかキミの「本当の味方」が現れた時に必ず必要になるものだ。


キミの味方は、まず最初にこの記録が「本当か」を調べてくれる。
そしてそれが本当だと分かった時、加害者を罰して、イジメを終わらせてくれる。

だからできるだけ正確に、あったことをありのままに、記録しておくんだ。

大事なポイントは、
・いつ?
・どこで?
・誰に?
・何をされた?
・その時キミはどうした?
・その時キミはどう思った?
をちゃんと書くことだ。


今からでも遅くない。
必ず用意しておくんだぞ!


イジメとの闘い方その2
イジメと闘う唯一と言っていい武器は「事実の記録」

相談先を見つける


イジメの相談先はステージによって違う。

これもよく勘違いされていることだけど、

ステージを間違えて相談してしまうと、解決しないどころか、余計にこじれてしまう。

「いじり段階」のことを警察に相談しても取り扱ってはくれない。
「重大犯罪期」のことを先生や校長に相談しても、そこまで悪化するのを防げなかった学校には解決は難しい。

だから、ステージごとに相談先を間違えない事も、解決のためにはとっても大切なことなんだ。

次の表にステージごとの大体の相談先をまとめた。
これが絶対ではなく、1つ1つのイジメのケースによってどこに相談したらいいかの判断は違うので、あくまでも目安として参考にしてほしい。


相談先の表の見方
イジメの4ステージを読んで自分のステージがどこなのか知ろう。
・ステージごとの相談先を知ろう。
・①②③とある所は「①をやってみたけど効果無し」または「①は自分にはできない」と言う時は②へ、と言う具合に読んでほしい。


ステージ1「いじり段階」 ①自分で「やめろ!」と言う。
②担任の先生に相談
③親に相談
ステージ2「イジメ初期」 ①学年主任、教頭に相談
②校長に相談
③教育委員会に相談 
ステージ3「イジメ期」 弁護士に相談、損害賠償を含む示談、民事・刑事訴訟
ステージ4「重大犯罪期」 警察に相談、被害届の提出


イジメの後の心のケアを行う


自分の力で、相談した相手と、どんな形でもイジメが終わってキミが「本当の時間」を取り戻したら、今まで必死で耐えてきた心のケアをしてあげる必要が出てくる。


自分の事を「必要ない」とは思ってしまう。
人と会うのが怖くなっている。
自分で自分を傷つけてしまう。


イジメの被害によって症状の種類も程度も全然違う。
信頼できる人に恵まれた場合は、心のダメージが少ないこともある。

「イジメ被害のその後」に詳しい症状や相談先をまとめておいたので読んでみてほしい。



でも、何らかの症状が出たら、それは「心のSOSのサイン」

ちゃんとリハビリして、元通りに治して上げてほしい。

もしも、異変を感じたら心をケアする機関に相談してほしい。



主な相談先は
①カウンセリングを受ける
②心療内科を受診する
③各種セラピーを受ける
の3つ。



①カウンセリングを受ける
イジメで傷ついた心は、ずっと異常な世界にいたから、正常な判断ができなくなってしまっている。
それをカウンセラーと一緒に元の状態に戻していくんだ。
心がちゃんと「今までの世界は『異常』だったんだ」と分かれば、自分の事を大事に思うようになってくる。
自分の事を大事に思えるようになったら、他人のことも恐れずに大事に思うようになってくる。
そうなるまで、じっくり時間をかけながら、心のリハビリを行うんだ。



②心療内科を受診する
あまりにも心のダメージが大きすぎて、自傷行為や、味方をしてくれる人に攻撃したりするようになったら、薬の力で不安や興奮を抑える必要がある。
その場合は病院の心療内科を受診して、必要な薬を処方してもらう。
薬で極度の緊張や興奮を抑えながら、心のリハビリを行える状態を作っていくんだ。



③各種セラピー受ける
人と接するのが辛かったり、家から一歩も出れない状態の場合、そこから心のリハビリを行える治療法が色々新しく登場している。
ペットを飼うことで命の大切さを学ぶペットセラピー
植物を育てることで、自分の必要性や命を学ぶ園芸療法
などなど、本当に様々なセラピー、治療法が出てきている。


その中で自分に合ったもの、興味があるものを選んで行くことで、少しでも心を元の状態に近づけていくんだ。


方法は1つじゃない。君に合う方法がきっとある!

イジメを許さない世界を作る


イジメはどこで起こるのか?
イジメられやすい人がいるところ?

違う。イジメを受ける可能性はどこの誰にでもある。



背が高くてもイジメられる。
背が低くてもイジメられる。
やせててもイジメられる。
太っててもイジメられる。
かわいくてもイジメられる。
かわいくなくてもイジメられる。
勉強ができなくてもイジメられる。
勉強ができてもイジメられる。


どうせいっちゅうねん!



じゃあどこでイジメが起こるのか?


答えはすごい簡単だ。


イジメる人がいるところでイジメは起こる。


だからイジメられた本人に「イジメと闘う方法」を俺はアドバイスしてきた。


でも、他の人がもっと勇気を持ってくれたら、イジメはもっと早く解決するんだ。


①イジメさせない勇気を持つ
グループの中に「あいつに最近いじりがキツいかも」って思う人はいない?
「あの子にだけ集中的にいじってるかも」と思う人はいない?

誰かがやられていることを、

もし自分にやられたらキツいな

って思ったら、それが勇気を持つ時だ。

「ちょっと今のはキツいよ。」
「お前大丈夫?」
「ねぇそれはやり過ぎだよ。」

一言だけでいい。言葉を出す勇気を持とう!




②目撃者になる勇気を持つ
イジメが起きている時、残念ながらそれに気付く大人は多くはない。
同じグループにいる人、同じクラスにいる人、同じ部活にいる人、
イジメを目撃する可能性が高いのは絶対キミらなんだ。

○○くんが教室で何人かに蹴られてる。
○○さんが机にゴミとか入れられてる。
○○さんがグループLINEで「ウザい」「キモい」って集中攻撃されてる。
○○くんがコンビニで毎日おごらされている。

もし、どこかでイジメられている場面を見たら、「目撃者」になってほしい。
決してただ見ているだけの「傍観者」にはなるな!



「傍観者」と「目撃者」、何が違うのか教えるよ。

傍観者は、イジメを見ても「見て見ぬふりをする人」。何も無かったことにしてしまうんだ。

目撃者は、イジメを見て「ここにイジメがある!」っていう証拠になる。


ほとんどの人はイジメを目撃した時、
「ヤバい。何かしなきゃいけない!」って思うんだ。
でも、どうしていいか分からないから、結局「見て見ぬふりをする」状態になってしまう。

だから、目撃者になる方法を教えるよ。
イジメられている瞬間を目撃したら

・こっそり通報する
学校であれば先生に、外で暴行されていれば110番に通報しよう。
これは現場を見ている人にしかできないこと。
その瞬間に近くにいる誰かにこっそり通報するんだ。

・こっそり記録する
近くで暴行されている瞬間を見たら、こっそり動画や録音をしてあげよう。
グループLINEやtwitterなどのSNSでひどいことを言ってるのを見たら、こっそりスクショを撮ろう。

※スクショ・・・スクリーンショット。画面を画像で撮ること。スマートフォンに付いている機能。

それをこっそり本人に渡してあげる。
本人に武器になる情報を、形にして渡してあげるんだ。

でも、傍観者より目撃者の方が、少しだけほんの少しだけ「危険」になる。
だからくれぐれも「こっそり」。チャンスをうかがうんだ。





③手を差しのべる勇気を持つ
イジメを受けている子は誰にも相談できず、「一人ぼっち」になっていることが多い。
だからキミが、こっそりでいいから声を掛けてあげると少しだけ心強くなるんだ。
「辛くない?」
「大丈夫?」
「先生に相談した方がいいんじゃない?」
「中村先生って人がイジメと闘う方法を教えてるサイトがあるよ」

そんな声をかけてあげてほしい。
もしかしたら
「お前に何が分かるんだよ!」
ってキレられるかもしれない。
キレられたら仕方ない。それだけその子は今厳しい状況にあって、キミのことが見えていないんだ。

でも、最初の一回だけ声をかけてあげてほしい。

イジメが行われている間も、
イジメが終わった後も、

イジメられたから、という特別扱いじゃ無くていいから、普通の友達の一人として、付き合っていってほしい。
何かしてくれるわけじゃないけど、変わらず友達でいてくれる存在って言うのがすごく力をくれるんだ。




そして、イジメに対して「NO!」という勇気を持とう。

そのために作った合言葉が

「なイジメそ!」


イジメをするな!って言う意味だ。

俺も先生として、誰もここまでちゃんとイジメに向き合わない中で、
子ども達と一緒にイジメと闘う勇気を持った。

他の先生に嫌な目で見られるかも、、、
偽善者って言われるかも、、、
お前の考え方は間違っているって言われるかも、、、

俺だって色んな不安や怖い気持ちもある。


でも、俺はイジメを無くしたい。
「イジメはこの世界から無くならない」なんて言いたくない。

だからこのサイトを作った。

一人でも多くのイジメが解決するキッカケになることを願って。



みんながちょっとずつの「勇気」を持とう。

それがこの世界からイジメを無くす方法だ。


みんなで言おう!


なイジメそ!